2009年 11月 08日
夜長におススメ?スルメマンガ
一冊ずつ購入しながら読んでいく。
私が一番幸せに感じるマンガの読み方です。
(本屋に全巻並んでること前提ですが…w)
ここで大事なのは、そのマンガが
"一冊で満足感が得られる"
ということ。
「思わず一気読みしちゃう」
「荒削りだけどパワーはある」
そんなマンガにこの読み方は合いません。
堅実な設定と物語展開が、求められるのです。
それらはぐいぐいと惹きつけるような、一目で
貴方の心を虜にする力は無いかもしれません。
しかし一冊、また一冊と読むごとに
スルメのようにジンワリと味が出てくるのです。
ここでは、そんな噛めば噛むほど味の出る、
おするめスルメマンガのご紹介です!
失礼、噛みました。
Q.E.D.-証明終了-
加藤 元浩(月刊マガジンコミックス)
ドラマ化もされた作品で、ジャンルはいわゆる推理物になります。
派手なトリックや動機はありませんがそれだけに一作一作が短編小説のような作りで、サックリと読め、かつジワリと心に染み込むお話が多いです。
面白いのが、時折「数学」を事件に組み込むこと。証明とかが好きな人にはたまりませんv
これの姉妹作に「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」という作品も存在し、こちらは「Q.E.D.」より超常的な事件を扱っています。また推理物ではありませんが、同じ作者が描いた「ロケットマン」も、ちょうど文庫化されたのでおススメしておきますw
アオバ自転車店
宮尾 岳(ヤングキングコミックス)
自転車をテーマにした、ほぼ一話完結の物語。車やバイクはともかく、自転車にスポットを当てた作品と言うのは珍しく、それだけに作者の自転車への愛が伝わってきます。「魔物ハ○ター妖子」を描いてたころにはこんな作品が書けるなんて想像してなかったです(笑)
この作品は前作「並木橋通りアオバ自転車店」からの続き物なのですが、本当にどの巻から読み始めても大丈夫、といういまどき稀有な作品です。前作「並木橋通りアオバ自転車店」は文庫版が発刊され始めましたので、この機会にどうでしょうか?
モンキーターン
河合 克敏(少年サンデーコミックス)
競艇という、珍しい題材のお話です。
まさに中堅というか、雑誌の看板にはならないであろう、けれども無いと寂しい、そんな作品。綿密な下調べによる堅実な展開は、一冊一冊の密度もありかなり満足度は高いです。
作風もさわやかなので、誰でも抵抗感無く受け入れられると思います。
サラッと入るギャグもしつこすぎなくて良い。
あまりにも有名な同作者の「帯をギュッとね!」や、以前書いた「とめはねっ! 鈴里高校書道部」も同様におススメですw
どの作品も共通して、爽やかな画風と
丁寧な物語構成で読後感がたいへん良いです。
つかの間のコーヒーブレイクや、
夜寝る前のお供などにもおススメしますよ!