2010年 03月 07日
フロム、カナダ
昨年くらいから書こうかなーどうしようかなーと
迷っていたお話ですが…。
書いちゃう事にしました。
念のため言っておきますがFFのお話です。
みなさんは「金田伊功(かなだよしのり)」さんという
アニメーターをご存知でしょうか。
…とは聞きつつ、監督や声優ならいざ知らず、
アニメーターさんを知ってる人ってあんまりいないかな、
と思います。
というか知ってる人はかなり深いほうだと思います。
逆に言うと、深い人だったら多分知ってます。そんなひと。
金田伊功 - Wikipedia
この人は「アニメーター」という名が示すとおり、
何かの人気キャラクターをデザインしたわけでも、
ものすごいお話を作ったわけでもありません。
"キャラクターを動かす"
ただそれだけで業界を謁見した人物です。
『緩急をつけながら舞うように動くアクロバティックなメカ表現や
これに通称「金田パース」と呼ばれる大胆に誇張された
遠近感とポージングを加えた独特な作画スタイルを生み出し、
日本のアニメーションにひとつの変革を起こした。
「金田びかり」と呼ばれる実写のレンズの逆光で起きる
ゴーストを表現として取り入れられている。』
(Wikipediaより抜粋)
かなり特徴のある動きなので、
実際に観てもらうと分かりやすいと思います。
銀河旋風ブライガー OP
有名なのはこれ。古いですけど…。
ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU OP2
一番最近なのはガイキングLOD後期OP。
この作品は私も好きでした。
日本のアニメーションはディズニーなどとは異なり、
静と動を織り交ぜて表現されます。
この金田さんという方はその緩急をより極端に、
かなり個性的に表現されていました。
そのダイナミックな動きは、一時大変な人気だったようです。
さてこの金田さん、
東映動画からスタジオジブリを経て、
とあるゲーム会社に所属します。
そう、お分かりですね。
その会社は「スクウェア(現スクウェア・エニックス)」です。
ここで金田さんは様々なムービーやアニメ、キャラモーション
などを担当されました。
ここを見ている皆さんがよくご存知の、
FF11 OPムービーも金田さんの担当です。
私は、まさかこんなところで
金田さんと繋がってるとは思わなくて
知った当初はビックリしましたw
もちろん、キャラクターモデルやCGを
金田さんが作ったわけではありません。
たくさんの人が関わって、作られたムービーです。
(他のアニメももちろん同様。)
それでも小気味いい動きやエフェクトに、
金田さんの魂が込められているのかなー
…なんて、後付ですが思ってしまいます。
金田伊功さんは2009年7月21日、
心筋梗塞のため57歳の若さで死去されました。
マニアには名の通った…とはいえ、
アニメーターの方です。
12月に文化庁メディア芸術祭特別功労賞が贈られたものの、
特にニュースなどで報じられる事もありませんでした。
今回このお話を書いたのは、ちょっとだけ、
こんなお話もあるんだよという事が伝えたかったのです。
この記事を通して、なるほどそんな人がいたんだな、と
心のどこかに留めておいて頂ければ幸いです。
ちなみに、FF13のオーディン召喚シーンのコンテを切ったのも金田さん。
このシーン、すごく好きです。
本当に、つい最近まで作品を手がけていたんですね…。
心より、お悔やみ申し上げます。