2006年 08月 16日
夏休み特別企画 『ダッシュ!四駆郎』 ホライゾン・メッセージ [01]
去る2006年3月23日、漫画家の徳田ザウルス先生が
急性心不全のため死去されました。
享年47歳という若さでした。
徳田ザウルス先生といえば、その昔
「ダッシュ!四駆郎」という漫画で
第一次ミニ四駆ブームを巻き起こし、
日本中の子供たちを熱狂させました。
(※第二次ブームは「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」)
当時アニメ化もされるほどの人気で
私もリアルタイムで読者でしたので、
訃報を聞いたときは少なからずショックを受けました。
と同時に、このまま氏の作品が埋もれていくのは
大変惜しいとも感じました。
できれば皆さんに読んで欲しい…。
しかし児童漫画の宿命ですが、氏の作品は
現在大変手に入り辛い状況です。
そこで、本ブログにて数回にわたって、
氏の代表作である「ダッシュ!四駆郎」について
簡単ながら紹介させて頂きたいと思います。
過去、氏の作品に触れた方、また今まで知らなかった方へ
何らかのメッセージになれば幸いです。
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「ダッシュ!四駆郎」は、1987年12月号~1992年3月号まで
コロコロコミックにて連載された、ミニ四駆を題材にした漫画です。
コミックスは全14巻。
これ以降の同種の漫画の基本骨格が、ほぼこの作品によって
なされたといっても過言ではないでしょう。
作者が車好きな事からか、
ミニ四駆とはいえ実車さながらのリアルな設定は、
当時とても斬新に映ったものです。
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単行本第1巻では、四駆郎と皇、そして仲間たちとの出会いから
ダッシュ軍団(ウォリアーズ)結成までが描かれます。
主人公・日ノ丸四駆郎(ひのまるよんくろう)。
父から与えられたブーメランJr.とその特製カーボンシャーシが宝物。
必殺技はスーパーアタックランディング。
ミニ四駆はボディを浮かせてスタートさせるため、
着地の瞬間、一瞬モーターの回転が落ちてしまう。
そのタイムラグを無くすのがこの技。
今思うと、なんて地味な技を持つ主人公なんだ(笑)
しかし当時としてはかなり斬新な設定じゃないでしょうか。
子供心に「着眼点が他と違う」なんて思ったもんです。
ミニ四駆大会に出場した四駆郎は、そこで
皇(すめらぎ)と名乗る男に出会う。
四駆郎 「このシャーシも、とうちゃんがくれたんだ!
皇さん、とうちゃんを知ってるの?」
皇 「まあな、古い友だち…とでもいっておこうか。」
これこそが、物語の始まりだった。
偶然と皇の導きにより、四駆郎は
かけがえの無い仲間たちと出会っていく。
戸田弾九郎(とだだんくろう)。通称タンクロー。
以降、四駆郎の良きパートナーとして、終盤まで
共に戦っていくことになる。初期愛車はホットショットJr.。
南進駆郎(みなみしんくろう)。
海沿いの屋敷に住むお金持ちの少年。
プライドが高いが、
南十字星急行(サザンクロスエクスプレス)という必殺技を
持っているが、この技は名前しか決まっておらず、
番外編まで使って「一生かかろうとも、ものにしてやる!!」と
のたまった挙句、最終回まで完成する事はなかった。
にも関わらずこの技を本編で使用したという事実が、
進駆郎の凄さを物語っている。
パンクローとは親友同士。初期愛車はファルコンJr.カスタム。
地味貢二(じみこうじ)。通称パンクロー。
普段は気弱ないじめられっ子だが、ひとたびメイクをすると
強気なパンクロッカーへと変貌する。
初期愛車はスーパードラゴンJr.。
皇輪子(すめらぎりんこ)。
名前から分かるとおり、皇の妹。余談ですが、
物語後半での髪を下ろした輪子さんの方が好きです。
初期愛車はホーネットJr.。
お互いに仲間として、またライバルとして
絆を深め合っていく仲間たち。
しかしそこで、ある一つの事件が起きる。
街中で突然ミニ四駆を走らせ、
人を驚かせて面白がっている不良たち。
ミニ四駆をいたずらに使うなんて許せない、と
四駆郎は彼らに勝負を申し込む。
しかし、このことを聞いた皇さんに咎められる。
皇 「そんなやつらとの勝負はよせ!なんの得がある!?
きみたちにはもっと正当なレースをしてもらいたいんだ」
四駆郎 「得?やつら、おいらたちのミニ四駆にドロをぬったんだぜ。
それなのに…。みそこなったぜ、バカヤロー!」
四駆郎はブーメランJr.をジェットブーメランへと改造し、
皇さんと仲違いしたまま勝負へ挑む。
しかしスタート前、皇さんより四駆郎へ、一つの箱が手渡された。
皇 「これは、きみが正当な勝負の場に出る日のために、
用意したものだ!
もっていけ、きっと役に立つ!」
そして、勝負開始。
進駆郎の策により、リードする四駆郎たち。
リードを稼いだまま、レースは終盤へ。
進駆郎 (おかしい!こいつら、あまりに無策だ。
…このレース、何かある!)
進駆郎の予感は当たっていた。
ミニ四駆ゲリラたちは、花火を地雷代わりに仕掛け、
ジェットブーメランの破壊を目論んでいたのだった。
目の前で爆破されるマシン。
四駆郎 「皇さんのいうとおりだ…。
こんなレース、勝負じゃない。」
しかし、ジェットブーメランはその車体を溶かしながらも
四駆郎の元へたどり着く。
タンクロー 「クッソォ、やっていいことと
悪いことがある!
やつら、ブッ殺す!」
四駆郎 「よせ、タンクロー。」
「お前もブーメランも最後まで戦った!
おいらも最後まで戦う!!
そして、勝つ!」
そして、四駆郎は皇さんからもらった箱を開けた。
その中にあったマシンこそ、永遠の相棒となるマシン、
ダッシュ1号、"皇帝<エンペラー>"であった。
新マシン、そして四駆郎の策が加わって、
見事ミニ四駆ゲリラとの戦いに勝利した。
そして皇より告げられる。このマシンは、来るべき
ミニ四駆選手権へ出場するためのものであると。
今ここに、ダッシュ軍団(ウォリアーズ)が誕生したのだった。
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第1巻は主要キャラクターが登場する巻ですので、
そちらに比重を置いて紹介しました。
本当は全三回くらいで終わらせようかと
思ってたんですが、全然無理ですね(笑)
次回以降はもう少しテンポアップしつつ、
レースの方に比重を置いて紹介していきたいと思います。
もうしばらく、お付き合いくださいませ。